送信MAIL1:木野原 あやめ

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「所で瀬川。  アンタ、あやめに興味ない訳?」 「えっと…、どういう意味?」 「……それ、マジで言ってる?  あやめみたいなふわっふわっ  した可愛い娘、他の男子なら  喜んで飛び付くんだけど……」 「ん? 木野原が何って?  木野原は確かに可愛いけどさ、  なんでまた俺にそんなこと?」 ……こりゃ、ダメだわ。 額に手を当て、深く溜め息を吐けば、私はあやめの出ていった方を見つめた。 「ていうか俺はさ?  秋園みたいな人が好みだなぁ…  …っていうか、秋園が好き!」 にこっ、と可愛らしく微笑む瀬川。 ダメだ。こいつ、鈍過ぎる…… 「……鈍い」 打開策が見つからずうなだれる私を見て、結花がボソリと呟く。 「……私もそう思う」 本当にオマジナイでも何でも良いから、あやめの恋が成就すれば良いなと思う。 鈍い瀬川じゃ期待出来ないけど、……でも。 「やっぱ、応援しよ…」 私は決意を改め、瀬川に向き直るのであった。 「……鈍いのは、花音。  アンタの方だと思うのだけど」 決意を新たにする私の隣で、結花がそんなことを小さく呟いたなんて私は知らなかった。
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