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「呼んだ、秋園(アキゾノ)?」
私がそいつ―――瀬川 彰(セガワアキラ)を呼べば、廊下から教室の窓に身を乗り出してそう言った。
成績優秀、運動神経普通。
サラリとまとめられた肩までの黒髪はうねりもなく、男子にしては綺麗な方。
顔も体型も対して特徴はないんだけど、人徳なのか、何かと人気者な優等生。
それが瀬川 彰だ。
ちなみに、秋園 花音(アキゾノカノン)は私の名前。
「呼んだ呼んだ。
だからちょっと来なさい!」
手招きをすれば、ヘヘッと笑って返事をして、瀬川は私たちの所へと歩いて来る。
「!」
それを見て血相を変えるあやめ。あからさまにビクつき始めればザザザーっと、スゴい勢いで後退(あとずさ)る。
教室の壁までの距離なんてたかが知れてるのに。
まったく、わかりやすい反応だ。
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