3人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
「ロリス先生ひっかかった♪」
そう言って木から飛び降りてきたのは、1人の少年だ。ロリスが消えた地面に空いた穴を覗き込み、満面の笑顔を浮かべた。
「ラニタ!またですか!?」
落ちた時にぶつけた、腰を擦りつつロリスは灰色の瞳で少年を見上げた。
えへへと楽しげに、いたずらっこの笑顔を向けるのは、ラニタ・サンハイ、いたずらな魔法使いだ。
「ロリス先生、なんでひっかかったんだ?この前から落とし穴の位置変えてないぜ?」
ラニタはその特徴的な緑色の瞳で、ロリスを見つめた。
「慌てたんですよ。」
そう言い、ロリスは呪文も唱えず体を浮かせ落とし穴からでてきた。穴の中でも、輝いていた銀色の髪は、更に輝きを増した。
「遅刻だからか?」
笑いながら、尋ねるその瞳はいきいきとしている。
最初のコメントを投稿しよう!