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授業中、教室から生徒の話声は殆んどしない。たまに聞こえてくるのは、質問のみだ。
授業中に話などしていたら、授業にとてもついていけない。
なんと言ってもここは超エリート学校、他の学校の何倍も早く授業は進む。
少しでも遅れたらついてはいけない。
ついていけないと判断されると、最悪転校させられることもある。生徒達は皆必死だ。
もし授業中にわからないところがあったら、聞くしかない。
教師に聞くのもいいが、聞いても余計わからない説明をされることもあるし、ゆっくり相手をしてくれないこともある。
だから、生徒達は必然的に自分達で考え、わからなければわかりそうな人のところに集まることになる。
一階から一年、二年と計六階だての校舎は各階ごと学年がわかれている。
そして階の端には、一階から六階まで繋がる図書室と各階ごとの学習室がある。
「ラニタ!これわかるか?」
二階学習室、一つの机の周りに人だかりができている。
その人だかりをかき分け、ソワン・プロテイネは中心の人物に話しかけた。
「ソワン、どれだ。」
ラニタは他の生徒に説明をしつつ、目だけソワンにむけた。
「これだ。これ、さっきの授業でやったんだけどな。」
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