3クール目

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「だから治療止めても良いかなって思ってさ。」 先生に負担にならないように暗くならないように、明るく言ってみた。 「何言ってんですか。 そんな事言ったら息子さん達悲しみますよ~💦」 なんて無難な事言ってくれたけど、なんか本当に戻って来る患者さん見たら絶望的な気分で不安だらけだ。 けど、そんな患者さん達はみんな明るい。 ここでは癌患者さんが当たり前だから子宮癌だろうが卵巣癌だろうが、みんな隠し立てする必要もなく、普通に告白する。 みんな再発したりして強くなったのかな…? ぁ~あ、すっかりへこむよ。 でも、退院してった人達が検診で来るたんび、私の部屋に顔出ししてくれると、たまらなく嬉しくなって来る。 伊達に食堂でお喋りしてた訳じゃなかったな♪ なんてね(^w^) 「真崎さんはムードメーカーだから♪」 「今までの入院生活、一番楽しく過ごせたよ♪ ありがとう♪」 子宮外妊娠で入院してた人も、 「初めての子供じゃないから、良いかなって訳じゃないし… 何人目でも流産する辛さは一緒だよね。」 すると、今まで我慢してた涙が関を切ったように流れ出し、思わず2人で泣いてしまった事もあった。 「真崎さんが居てくれなかったら、今回も鬱になってたかも… なんか力貰えた気がする。 ありがとう♪」 なんて言われると単純な私は、 “こんな私でもちょっとは人の為になってるのかな♪” なんて思えてきたり… そして、やっぱりもうちょっと頑張ってみるか… なんて思ってみたり、本当に感情の起伏が激しくなって気持ちがかなり揺れてるよね。 でも、いつでも人の傷みも分かる人間ではありたいと思う。
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