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この週で野沢さんともお別れだ。
本当は喜ばしい事なのに、野沢さんが退院してしまうのは寂しくて堪らない。
先生方より病気を分かり易く説明してくれたし、上品で優しくて安心して頼れる存在だったからね。
でも、退院したら二度と帰って来て欲しくないのも本音だよ。
喜ばしいけど寂しい。
野沢さんも急に決まった退院に戸惑っている。
完治したってよりは白血球が下がって抗がん剤が使えなくなったからに他ならないからだ。
病院側としては、ムリして注射で白血球を上げて治療を続けるよりは、一旦家に帰して様子を見ながら新しい患者さんの治療を始めたいんだろう。
それ位、自治医大は癌患者で飽和状態なのだ。
そしてこの週、入って来たのが米山さんと松林さん。
野沢さんとこの2人は数日の付き合いだったけど、それでも野沢さんが居なくなってしまうのは寂しいようだ。
私なんて同じ病の子宮頸癌で3週間も共に過ごしたから尚更だよ。
そして金曜日野沢さんは退院、私は家に戻る事に…
でも、幾ら午前中退院と言っても、まだお迎えも来てないのに次の人が入るからと野沢さんの荷物を運び出して行ったのには唖然
(°□°;)
居場所がなくなってしまった野沢さんは、お迎えが来るまで私のとこにあるイスに腰掛けて時間を潰してたけど、退院が決まった途端のあまりの対応に米山さんも松林さんもみんなで唖然呆然。
全く、病院は現金だよね。
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