142人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
東京商事という、名前だけ大層で、その実社員は百名程度の中小企業。
それが、古い体質を刷新すべく立ち上げたプロジェクトがIT推進部だった。
しかし、立ち上げたプロジェクトも既存の取締役会の決議をいちいち仰ぐ仕組みだったため、当初期待されていた革命的なことは何一つ成し得なかった。
だが、代表取締役社長の一言で、事業部は分社化され、独立した会社となった。
社名は、ゴッドアラーム。
また名前だけは大層だが、世間に株式を公開するつもりもないのだからと、これまた社長の独断のみで決まった。
社名の力強さは、社員に使命感を植え付けた。
東京商事の改革しか事業がないのだから、それができなければ仕事はない。
ゴッドアラームの設立時のモチベーションは高かった。
当初は業務の効率化がかなり進むであろうと見込まれていた。
最初のコメントを投稿しよう!