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「だから、その手段があると言ったら?」
腕を組み上空の彼女は、私達に再び問い掛ける。
「平和なこの都市に、そんなものある訳無いじゃない!!」
「疑り深いわね。
――いいわ、見てなさい!」
溜め息混じりに、彼女がそう言って静かに目を閉じると、窓の外が七色に輝きだした。
オーロラのような光の中から、現れ出た物――。
烏帽子(えぼし)を被ったような頭部から、細いワイヤーのような物が、髪の毛のように、風にたなびき、白銀の装甲は眩しく輝いていた。
胸の突起とくびれのあるスリムなボディは、女性を連想させる。
「――綺麗……」
「これが精霊機神よ!」
感嘆の声を上げる私に、彼女は自慢気な声で応えていた。
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