~ 黒き侵略者 ~

3/3
前へ
/35ページ
次へ
 転送された僕の目に、真っ先に飛び込んできたものは、月明かりに照らされた、綺麗な海だった。 「素晴らしい……」  思わず感嘆の声を上げてしまう。 「この美しい景色を、破滅へと導き、我が祖国への手土産に出来る喜び……。  やはり僕はこの瞬間の為に生きているのだ――」  操縦桿を操り、波を掻き分け、《グリフォン》を街へと進行させてゆく。  すると海岸沿いから、眩い光が上空へと立ち上り、月明かりの海岸が、昼のように明るく照らし出された。  ――照明弾だ。  この都市にも、少なからず軍隊というものが、存在しているようだ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加