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「早速ですまないけど、報告を頼みます――」
僕は、机の上に用意されていた報告書に、目を通しながら、彼の言葉に、耳を傾ける。
「――現状から推察した結果、この惑星は後一年で、完全に崩壊致します。
そして、それを打開するには、この方法しか御座いません――」
先程までの笑顔は、今の彼には全く無い。
迫力に満ちたその目は、僕が昔見た往年のそれだ。
「――その方法とは?」
彼はその問いに、苦悩を絞り出すように、こう答えた……。
「双子星……。
その中にある精霊都市からの妖精エナジーの採取で御座います」
「――貴方は僕に侵略者になれと?」
「しかし、この都市を再生し、国民を守ってゆく為には、我々が犠牲にならねばなりません……」
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