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しかし、それにしても暑い……。
校長もハンカチで汗を拭いながら話を続けている。
自分も暑いなら、さっさと切り上げろよ。
校舎は冷房が効いてるんだ……早く戻らせろ……。
話はつまらないし、暑いしで私の精神状態は芳しくない。
彼方の足でも踏みつければ良い発散になるんだが……生憎出席番号順なので近くにいない。
更には私の親しい友人である海人や雪人も、離れた所にいる。
はぁ……退屈だ。
「……ですので、またより一層の……」
校長先生の話を聞き流し、最近髪質が悪くなったなぁ、と小さく嘆いたのだった。
「みんなー。カナね、思ったんだ。校長みたいなのがいるから、カナ達は幸せになれないんだと思うの。だからね?みんなで校長を抹殺しよ?お願い……このままじゃみんな不幸になっちゃう……カナ……そんなの耐えられないよ……グス……」
「う、うぉぉおぁあああ!」
「立ち上がれ若人達よー!」
「カナちゃん待ってて!今私達があの醜いハゲ豚を八つ裂きにしてくるから!」
『そしてみんなで幸せに!逝くぞぉおおお!』
ご丁寧に声を震わせ、涙まで見せた彼方の演技に、まんまと引っ掛かる複数人の男女。
雄叫びをあげ、今にも校長室に特攻しそうな男女達。
そんな様子に、思わず溜め息が漏れた。
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