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(秋咲篠夏side)
日和君達が出て行った後。私は一通り日和君の家を見て、リビングにあるソファーに座った。
自分の家とは違う部屋。
まるで、新しい世界に来た気分になっていた。
「…本当に…水稀日和君だったんだ」
テレビの中だけでしか見た事の無い日和君。
何時も笑顔で、気さくで、優しくて……私が持っていない全てのものを、日和君は持ってた。
幼い頃からずっと憧れていた。
だから…だから、少しでも知りたかった。
日和君のこと。
何でもいい…少しでも日和君のことが知れれば、良かった。
だからこんなワガママを言ったの…
「…ごめんなさい…坂本さん、日和君」
だけど…これが最後だから。
こんな子供みたいなワガママは、これが最後。
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