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「はい、お疲れさん」
「ありがとうございました」
今、雑誌の撮影が終わった。
この雑誌は、僕がデビューした時からお世話になっている雑誌だから、僕はこの仕事が好き。
次は確か新しいドラマの打ち合わせ。
タイトルば君に贈るこの思い゙…切ない恋愛物語。
中学生の主人公蒼汰は、ある1人の女の子を虐めていた。
その子の名前は、真奈。
蒼汰の幼なじみで、虐めのきっかけは、真奈が蒼汰に告白したこと。
それを知ったクラスメートは蒼汰を冷やかし、蒼汰はその怒りを真奈にぶつけ、虐めが始まった…
蒼汰は自分が犯した罪を見直して、真奈を助ける。
そして蒼汰が真奈に告白するが真奈の答えは――
こんな感じの内容だった。
今までに演じた事の無い役柄。虐めている役何てやった事ないし、蒼汰と僕は全くの正反対な性格。
それに、高校生の僕が中学生の役を演じる…それもまた僕の不安の一部だ。
僕は不安を抱えながら、打ち合わせをする会議室に入った。
「失礼します。゙君に贈るこの思い゙の主人公、哉瀬蒼汰役の水稀日和です。
宜しくお願いします」
一瞬にして僕に痛々しい視線が集まる。
見る限り、高校生っぽい人も何人かいた。
あいている席に座り、台本を机に出した。
「へぇ…君が水稀日和ね」
「…君は?」
「俺は朔夜篤。同じく高校生…蒼汰の親友の青山秀役だ」
澄まし笑顔で僕に話し掛けた。
金髪頭にピアス。
僕とは全くの正反対だ。
「青山君、宜しくね」
「あぁ…宜しく」
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