1章「出逢い」

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  「日和、明日の8時に向かえに来るわね」 「うん」 「秋咲さんもね」 「うん」 同じ返答しかしない僕をみて、少し呆れた表情の坂本さん。 坂本さんは、ふと僕の手に目をやる。 普段料理何かしない僕が、材料の入った買い物袋を手に持っていることが、気になるんだろうな… 「日和…料理、できたの?」 「できるよ、簡単なやつなら」 「…秋咲さん?」 「うん。一緒に食べるの」 僕が微笑みながら話すと、坂本さんはさらっと僕に言う。 「気をつけなさいよ」 「わかってる…バーイバイっ坂本さん」 果たして坂本さんは、僕が包丁を持つことに対してその言葉を言ったのか… それとも、篠夏ちゃんに対して言ったのか… ま、僕にはわかっていた。 「…心配性だなぁ坂本さんは」 そう言って、僕はゆっくりドアを開けた。  
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