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「日和、明日の8時に向かえに来るわね」
「うん」
「秋咲さんもね」
「うん」
同じ返答しかしない僕をみて、少し呆れた表情の坂本さん。
坂本さんは、ふと僕の手に目をやる。
普段料理何かしない僕が、材料の入った買い物袋を手に持っていることが、気になるんだろうな…
「日和…料理、できたの?」
「できるよ、簡単なやつなら」
「…秋咲さん?」
「うん。一緒に食べるの」
僕が微笑みながら話すと、坂本さんはさらっと僕に言う。
「気をつけなさいよ」
「わかってる…バーイバイっ坂本さん」
果たして坂本さんは、僕が包丁を持つことに対してその言葉を言ったのか…
それとも、篠夏ちゃんに対して言ったのか…
ま、僕にはわかっていた。
「…心配性だなぁ坂本さんは」
そう言って、僕はゆっくりドアを開けた。
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