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何時もと変わらない朝。
僕はベットから起きて、目を擦りながらリビングに向かった。
リビングにはトーストや目玉焼きが置いてあって、キッチンから坂本さんがフライパンを洗っていた。
「おはよう、日和」
「おーはよ」
テレビをつけて、僕はトーストをかじった。
瀬那と柚慧がいなくなって、早1ヶ月。僕は間が抜けたように毎日を過ごしていた。
高校でも先生によく注意されるし、始めは仕事にも影響がでて最悪だった。
だけど坂本さんが毎朝こうやって朝ご飯とかを用意してから、何とかもとの生活に戻っている…ま、坂本さんに怒鳴られた事が一番凄かったんだけど。
「今日は午後からだから、午前中は学校ね」
「ふわぁい」
「しっかりしなさいよ?」
「ふわぁい」
ハァと溜息をつき、坂本さんはエプロンを外してソファーに僕の服を置いた。
結んでいたゴムを取り、前より伸びた茶色の髪が広がる。
何となくその姿を見ていた…
坂本さんの項が見えたとき、僕はボソッと呟いた。
「…坂本さん、エロい」
「日和、殴るわよ」
「ごちそさま~」
歯磨きを済ませ、僕は制服に着替えた。
中学の頃より少し伸びたこの身長…結局瀬那を抜かせなかったし。
ふと首にかけてあるネックレスに触れてみる。
「…何で…みんな死んじゃうんだよ」
僕はそう呟いて、ネックレスを握り締めた。
その姿を、坂本さんは悲しげな目で見つめていた…
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