1章「出逢い」

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  「ちゃんと授業受けなさいよ?芸能科でも、留年するわよ?」 「母親みたいな事言わないのー大丈夫だって」 坂本さんはまだボソボソと母親みたいな事を言っていた。 解ってるよ。 ちゃんとしなきゃって事ぐらい…馬鹿な僕でも解る。 だけど、もう少し…もう少しだけ、待って。 そしたら、また水稀日和に戻るから。 僕は車から降りて、坂本さんに言った。 「坂本さん、行って来ます」 ニッと笑って言うと、何時も眉間にシワを寄せてる坂本さんはふわっと微笑んだ。 「行ってらっしゃい」  
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