1章「出逢い」

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  午前中の授業は久しぶりに真面目に受けた。 一応今までの内容は頭に入ってて、それ程苦労はしなかった。 4時間目の最中…ふと外を見ると、雨が降り始めた。 まるで空が泣いているかのように、ザーザーと不協和音を奏でていた。 ――――――――――― ――――――― ―――― 「……土砂降りじゃん」 午前中の授業が全て終わり、僕は下駄箱で座り込んでいた。 天気予報何か見てないものだから、傘なんて勿論ない。 坂本さんが言うように、朝のニュースはしっかり見ないと… しかも坂本さんに電話しても坂本さん出ないし… どうしたものかと、考えていたら土砂降りの中、1人の女の子が校門の前で立っていた。 よく見ると、今朝の女の子。 と言うか、土砂降りの中傘もささずに何をしてるのか。 見てしまったからには、無視はできない。 僕は土砂降りの中、そのに向かって走った… 「ね、ねぇっ…」 「!!…あ…」 「風邪…ひくよ?」 女の子は僕から目を逸らして、スカートをギュッと握った。 暫く黙って、僕は再び坂本さんに電話した。 『はい』 「あ、坂本さん?今すぐ向かえに来て。今すぐだよ~」 『はっ?ちょっひっ…』 一方的に電話を切って、女の子の手を握り締めた。 女の子は怯えた表情で僕を見つめた。 「大丈夫。僕のマネージャーが向かえに来るからね」 ニコッと笑って言うと、女の子はコクリと頷いた。 雨の中、僕が拾ったのは傷だらけの子猫だった――  
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