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午前中の授業は久しぶりに真面目に受けた。
一応今までの内容は頭に入ってて、それ程苦労はしなかった。
4時間目の最中…ふと外を見ると、雨が降り始めた。
まるで空が泣いているかのように、ザーザーと不協和音を奏でていた。
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「……土砂降りじゃん」
午前中の授業が全て終わり、僕は下駄箱で座り込んでいた。
天気予報何か見てないものだから、傘なんて勿論ない。
坂本さんが言うように、朝のニュースはしっかり見ないと…
しかも坂本さんに電話しても坂本さん出ないし…
どうしたものかと、考えていたら土砂降りの中、1人の女の子が校門の前で立っていた。
よく見ると、今朝の女の子。
と言うか、土砂降りの中傘もささずに何をしてるのか。
見てしまったからには、無視はできない。
僕は土砂降りの中、そのに向かって走った…
「ね、ねぇっ…」
「!!…あ…」
「風邪…ひくよ?」
女の子は僕から目を逸らして、スカートをギュッと握った。
暫く黙って、僕は再び坂本さんに電話した。
『はい』
「あ、坂本さん?今すぐ向かえに来て。今すぐだよ~」
『はっ?ちょっひっ…』
一方的に電話を切って、女の子の手を握り締めた。
女の子は怯えた表情で僕を見つめた。
「大丈夫。僕のマネージャーが向かえに来るからね」
ニコッと笑って言うと、女の子はコクリと頷いた。
雨の中、僕が拾ったのは傷だらけの子猫だった――
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