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クレア.2
樹海は陰鬱で気味が悪い。常に食欲旺盛で獰猛な獣の唸る声が聞こえた。
「どうなっているんだ」
スーツ姿の男、ネイサンは吐き捨てる。
「あれは何?」
目の前を横切る動物を指差す。
ライオンの様な凶暴性溢れる外見。
「手懐けるのは難しそうだ」
動物はこちらに気付いたのか、急に向きを変えた。
「こっちに来るわ」
不死身と言えど喰われるのはごめんだ。
丸ごと飲み込まれては再生も何もない。
獣が四肢を目まぐるしく動かし突進する。
距離が数歩まで縮まった時、身体が浮いた。
重力は感じたまま身体が…飛んでいる。
彼が飛行していた。
「あなた飛べるの?」
「わからない。でも飛べる気がしたんだ」
空中で会話という所業の後、二人はゆっくりと着地した。
そして今度は獣を掴みそのまま無理な体制で上昇、途中で獣を突き落とした。
「これでどうだ」
「私がこうならなくて良かったわ」
体中の骨が折れたのだろう。獣はぐったりとし、動かなくなった。
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