□現実の情に笑わされてる

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たとえば、 とてもいい気分で舞台を終えたとする にこにこ笑顔だ すぐ5分後には泣きたくなり 15分後にはむなしくなる すごくすごく素晴らしい世界を頑張って作り上げたんだ 楽しくて嬉しくてきらきらしてにこにこではしゃいだり泣いたり拗ねたり遊んだり そうしてみんな笑って 僕らは気持ち良くなる 箱庭あそび。 架空で ありえなくて だれもいなくて 僕もいなくて そんな世界だ 素晴らしい素晴らしい、世界があるのは舞台の上で そこをおりたら すべてがそこに置き去りになって なにもなくなってしまったみたいで 利用もしてる 要らないものをすててきてる でもきれいなものもはがれおちるみたいに 夢みたいに なくなってしまう なくしてしまう あんなものが幻な事に泣きそうになって 夢なんかみてる自分にむなしくなる よろこんで祝福してくれるみんなに、 僕は酷薄に笑う 夢なんかいつまでも見ていられないよ、と はかばかしく わらう きみがいないし きみがわらわない きみがみえない きこえない まったく馬鹿馬鹿しい なんのためのゆめなのか
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