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「あのー、大丈夫ですか?」
「ハイ」
ササナミさんは、低い声で返事する。
「どうして、毎日この公園で立っているんですか?」
ササナミさんは、語り始める。
「最初にこの公園に来たのは、
去年でした。ただの仕事で疲れた体を癒やすためでした。5日ほど公園に通ったあと、
仕事がクビになりました。
先月も、この公園に通いました。ただの暇つぶしでした。そして、
数日前、妻と別れました。今は、ただ心を癒やすために公園に来ています」
その後は、数分の沈黙。ただ、雨音だけが響く。
「この傘、貸します🌂濡れると風邪ひきますよ。では、さようなら」
私は、その場を去った。
それからもササナミさんは、公園に立っている。
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