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「………あの、あの時…目撃していた人がいたんですか」
「ていうか、あの場所にいたのは俺とあんただけみたいだから」
「という事は…」
「そう、相手は俺だよ。奇跡的に死ぬ事なく軽傷で済んだけどさ」
康平は事故で負った傷痕を見せて言葉を続けた。
「骨は折れてないってとこが奇跡的なのかもな」
「すっすみません。あの時の事、今はっきり思い出しました。相手は確かにあなたです」
「何で逃げたりしたんだ?もしかしたら殺人だったかもしれないんだぜ。だとしたら罪は重い」
「あの時は恐くなってしまって…逃げるつもりじゃ…本当です」
「だったらそれなりの事してくれるんだろ?警察には言わないでやるんだからさ」
「慰謝料なら払います。だから絶対に警察には言わないで下さい。この通り何でもしますから」
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