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人は誰しも夢をみる
そう、この彼も…
兵士A「隊長!先遣隊が壊滅したとの報告が。まもなく敵がすぐそこに。」
伝令が息をきらせながら走ってやってきた。
隊長「くそぉ、あれだけの先遣隊が壊滅だと。おいそこのお前、伊藤を呼んでこい」
隊長が適当にある兵士を指差して言う。
伊藤「伊藤三等兵、只今参りました。」
隊長「よし、今からお前に偵察を兼ねた突撃命令を下す。相手の損害などの状況を把握し、報告した上で敵に攻撃をしかけ、少しでも敵を減らしてこい。」
周囲からどよめきが聞こえる中、伊藤が口を開く。
伊藤「それはつまり私に死ねと?」
伊藤が聞くと少し微笑みながら隊長が言う。
隊長「戦場で死ぬことは栄誉あること、きっと家族も喜ぶだろう。さあ、敵がこちらにくる前にその任務を終わらせてこい。」
伊藤が少し怒りながら
「家族が喜んだとしても私自身の魂が喜びません!」
隊長はそれを聞いて、「大丈夫だ。仮にお前が喜んでなくても成仏されれば喜ぶさ。とにかく早く行ってこい!」と怒りながら言う。伊藤「嫌です。」
隊長「これは命令だ。」
などと口論を繰り返していると櫓の上にいる兵士が。
兵士「敵襲!そして敵、発砲を確認!」
と声を荒げて言う。
伊藤がその発砲した音の方向を向いたときには遅かった。
敵の発砲した銃弾が伊藤の顔に直撃したのだ。
彼の眉間に穴が1つ空き、その場に倒れた。
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