旅立ちと言う名の死刑宣告

2/4
前へ
/34ページ
次へ
「なぁなぁ、アイク!! 聞いてくれよ!」 アイク「どうした、リンク。 やけにテンションが高いな」 何時も高いが、今日は異常な程だ。 ニヤニヤしながら、俺の前で仁王立ち。 リンク「ジャジャーン! 発表しまぁす!」 アイク「勿体ぶるな。 宝くじでも当たったのか?」 リンク「んな、しょぼい事はどうだって良いだろう」 どうでもって… 宝くじだぞ? 当たれば、億万長者も夢じゃないんだ。 サーロインステーキが、どれ程食える事か… リンク「なぁ、聞いてるか?」 アイク「ん、悪い」 リンク「全く… もう一度言うから、ちゃんと聞けよ!」 分かったから、指を指すな。 リンク「俺は、勇者になりまぁす!!」 世界の時間が止まった気がした。 だだ、それは偽りで、時間は確かに動いている。 それ程までに、驚いたのだから仕方ない。 アイク「ゆ、勇者…」 リンク「おうっ」 アイク「…冗談はよせ」 リンク「冗談なんかじゃ」 アイク「馬鹿故に仕事を片っ端から失い、女にも捨てられ、取り柄といえば元気ぐらいだし。 挙げ句の果てには、あまり稼ぎにならない傭兵稼業の俺に食わせてもらってるじゃないか。 そんなアンタが勇者なんて出来る筈無いだろ」 現実を見ろ。 アンタでは魔王を倒せない。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加