18人が本棚に入れています
本棚に追加
俺達が住んでいた街。
其処を出て、初めて着いたのは村だった。
良い感じに寂れた村。
リンク「こんな所に、何の用だよ」
アイク「取り敢えず、魔王の居場所の情報収集だ」
魔王の居場所が解らなければ、討伐も出来ない。
…そう言えば、魔王の悪事は耳にするが、魔王の住居の話は聞かないな。
面倒な所にいなければいいが…
リンク「すみませーん。
魔王の住所知りませんか?」
…おい。
あんたは馬鹿か。
見ろ。
聞かれた村人が困ってるじゃないか。
当たり前か。
変な奴に変な事を変な風に聞かれたんだ。
困らない方が変だ。
リンク「ええ、知らないの?」
*「す、すみません…」
リンク「アイク、知らないって」
一度、言えば分かる。
何度も繰り返すな。
*「あの、貴方達は…?」
リンク「あ、俺達は勇者」
アイク「ただの旅の者だ」
と、言った物の、魔王の住所を聞いた時点で、"ただ"ではないか。
魔王の下で働きたい馬鹿か…
身の程知らずの大馬鹿か…
俺達の様な救えない馬鹿ぐらいしか、選択肢はないよな。
*「勇者…?」
ああ、笑ってくれて構わない。
むしろ、笑ってくれ。
その方が気が楽だ。
最初のコメントを投稿しよう!