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「ギャハハハハハハハハッ!!」
少年は、まるで弄ぶように、旋風を操り、空中で“魔法使い”達をグルグル回転させる。
「クッ!!」
リーダー格の男は、近くに置いてあった小型の拳銃を手に取り、それを少年へ向けた。
パァンッ!! と乾いた銃声が響き、少年の胴を貫くための弾丸を放つ。
「あっあーん?」
少年は、弾丸に気付いた。
それだけで、十分だった。
その弾丸は、少年に当たる数メートルも手前で爆発を起こした。
「お前、面白いモン持ってんじゃねえか」
そう。
この世界に生きる人間が、拳銃を使う事自体異常なのだ。
「これがアイツらの言ってた『必殺対象(ターゲット)』か」
少なからず、科学に関与する組織。
気付けば、少年の容姿はまた変わっていた。
頭の半分が金髪で、もう半分が赤毛に変色し、眼も片目が黄金で片目が真紅になっていた。
「お、お前は・・・ッ!?」
リーダー格の男が、拳銃を手から落とし、唖然とした表情で少年を見る。
「自己紹介がまだだったなァ」
その声と同時に、少年は魔法を切った。
5メートルの位置に浮かされ、高速で回転させられていた“魔法使い”の皆は、地面に強く叩き付けられ、誰しもが気を失っていた。
半分黄金で半分真紅な少年は、リーダー格の男を見据えて言った。
「ムクロだ。よろしく」
ニタッと不気味な笑みが張り付く少年。
彼の名はムクロ。
過去に、少年の前に立ちはだかった者で、良い死に方をした人間は誰一人としていなかった。
「これも任務だァ・・・。仕方ねえよなァ」
ムクロは本当に面白そうに、しかしどこか退屈そうに両手をポケットに戻す。
その髪は、今度は深緑に変色し、その瞳も同じく抹茶色になった。
トンっ、とムクロは地面を軽く足でつつく。
その瞬間、数メートルも離れた位置にいたリーダー格の男が、地面から飛び出た一本の鋭い樹木に串刺しとなる。
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