第 六 話

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「居酒屋へ行かれるのですか?」 意外過ぎて驚きながら聞き返すと、彼は再び肯定の頷きを返してきた。 「行きますよ」 …総一さんが居酒屋… ……想像出来ない 「優姫さん、居酒屋メニューを作っていただけますか?」 「おつまみ料理って事ですよね? 了解しました」 大雑把ではあるが、メニューが決まったので買い物を進めていく。 量は少なく、品数は多くにする事にして、いろんな食材をカゴの中へと入れていくと、あっという間にカゴがいっぱいになってしまった。 会計を済ませ、三つの袋に入れられた食材を持とうと手を伸ばしたが、横から伸びてきた手が先に袋を掴んでしまった。 「重いですよ?」 袋を掴んだ彼を見上げて言うと、彼は柔らかく笑った。 「だから私が持つんです」 「一つお持ちします」 「荷物は私が運ぶので、優姫さんは美味しい夕食を作って下さいね」 そう告げるとさっさと歩き出してしまった為、慌てて彼の後を追いかけた。  
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