第 七 話

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…あったかい… 心地良い温もりをもっと感じたくて、その温もりに身体を寄せる。 私の思いに応えるように、身体が優しく包まれた。 …気持ち良い… その心地良さに再び意識が沈んでいく。 こんなにも目覚める事の出来ない朝はいつぶりだろうか? あの人と初めて迎えた朝の記憶がぼんやりと浮かぶ。 その朝を懐かしく感じる心に寂しくなった。 滲んだ涙が零れ落ちることなく、薄い布に吸い込まれていく。 静かに泣く私を慰めるかのように頭を撫でられる。 その優しい手つきにますます涙が滲んだ。 「優姫さんは犬と猫、どちらが好きですか?」 撫でる手はそのままに、脈絡無く問う声に一瞬にして目が覚めた。 …イヌとネコ?突然何を……って、ちょっと待ってっ! 枕にしている腕、腰に回され抱きしめる腕、顔を埋めていた硬い胸板、 心地良いと思ったモノの正体に、サーッと血の気が引いていく。 何がどうなってるわけっ?! 昨夜の記憶を手繰り寄せるが、何一つ出て来ない記憶にますます血の気が引く。  
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