7277人が本棚に入れています
本棚に追加
考えたくない現実に現状把握を強制終了し、パニクる頭を無理矢理空っぽにする。
それでも浮かんできたのは、
「……もう、お嫁に行けない…」
「それは、人妻が使う台詞ではないですよ」
呆れたような声が側で聞こえて、今すぐ昨夜の自分を呪い殺したくなった。
…なんて事…
私のバカっ!
酔って記憶を無くして、目覚めたら男の腕の中なんて……
こんな醜態、自分がするとは思わなかった。
「…お嫁に行けない」
「ちゃんと私が責任を取るので御安心下さい」
「夫がどう責任を取ってくれるんですか?」
「一生、私の妻にしてさしあげます」
「それは全く嬉しくない責任の取り方ですね」
現実逃避を試み、バカな会話を繰り返す。
「しっかりと目が覚めたようなので、そろそろ犬と猫、どちらが好きか答えて頂けますか?」
………それ、重要なの?
今直ぐしなきゃいけない質問なの?
「…それ、重要な質問なんですか?」
「ええ、出来ればどんな種類で、どんな性格で、どんな顔が好きか、事細かに教えて下さい」
最初のコメントを投稿しよう!