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新婚夫婦が初夜を迎え、目覚めてからする会話が、犬と猫の話しって。
「……私、現実逃避に成功したんだ」
「間違いなく、今が現実ですよ」
「………………もう少し眠りたいので、出て行ってもらえますか?」
「此処は私の部屋なので、私は出て行きません。
それに、まだ眠るんですか?もう十四時を過ぎていますが…?」
この人はどうしても逃避の邪魔をしたいらしい。
要らない情報を次々と…
「犬と猫なら犬が好きです。
特に大型犬がいいですね、犬種を指定するならゴールデンレトリーバー。
もっと細かく言うなら、亜麻色の従順そうな犬がいいです」
昨夜の醜態を無かった事にして、彼の脈絡の無い質問に答える。
そうすることで僅かだが、現実から目を背けた。
「亜麻色のゴールデンレトリーバーですか…」
「ところで、その質問に何の意味があったんですか?」
「貴女の好みを知りたかっただけですよ。
そんな事より、ご気分は如何ですか?」
…そんな事より、って、さっきはその質問が重要な質問だって言わなかった?
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