第 五 話

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【お休みの所を起こすのは忍びなかったので、布団とエアコンで寒くないようにはしましたが、少しでも体調に変化があった場合は速やかに医師に連絡し、往診を頼むようにして下さい。】 「…往診って、軽い症状ならわざわざ来て頂かずに病院へ行きますよ」 彼の言葉に苦笑いが零れる。 …布団とエアコンはやっぱり総一さんなんだ… 寒くないようにって、かなり暑かったけど… 彼の書いた綺麗な字を指でなぞる。 「…優しい人、なのかな…」 【では会社へ行ってきます。】 「いってらっしゃい」 三度目の交換日記終了。 三度目にして漸く会話成立。 夫婦なのに少しも顔を合わせず、ノートで会話する私達はやっぱり夫婦じゃないけど、これでいいような気がした。 三年後には離婚が決まっている私達には、近付き過ぎないこの距離感がちょうどいいように思えた。 「さて、朝食の準備に取り掛かろうっ!」 声に出して気合いを入れたのだが、早朝だった事を思い出した。 「……行ってきますって、総一さんって何時に帰宅して、何時に出社してるんだろ?」  
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