第 六 話

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「あの、此処は…?」 迎えに来てくれた彼に連れられてやって来たのは… 「雑貨屋です」 「…………離婚の話しは?」 「貴女の早とちりです」 天国から地獄とはまさにこういう状況を言うのだと思う。 浮かれていた気分が急降下。 「電話で否定しませんでしたよね?」 「それは貴女があまりにも嬉しそうに聞いてきたので、否定するのが心苦しかったんです」 …心苦しいとか絶対に嘘だろっ! 「それよりも私との約束で即座に離婚を思い出すとは…それ程までに離婚したいんですか?」 「今すぐしたいですっ!」 「即答ですか」 日記での会話には慣れてきたのに、久しぶりに顔を合わせれば言い争いのような会話。 やっぱり私達は会わない方が上手くいくのだと思う。 「それで何を買うんですか?」 「貴女が欲しい物です」 「欲しい物は無いので帰りましょう」 家具の時のように、あんな疲れる買い物は二度とごめんである。 「折角来たのですから、店内を見て回りましょうか」 久しぶりの微妙に噛み合わない会話。  
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