第 六 話

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話しを逸らそうとしてる? って事は浮気してるわけ? ちょっと待って、私達の場合って浮気になるの? 気持ち的にはならないけど、世間的には浮気よね。 暫くこのネタで楽しんじゃダメかしら? 「浮気、したのですか?」 「…何時ものように喚きながら話して頂けませんか? 貴女がそう静かに怒っているのは、不気味なのですが…」 …不気味、ね 今度からはこの口調を使おう それにしても、何時ものように喚きながらって、この人の中の私ってそんなイメージなのね 「ヒステリックな妻を御希望なら、そうしますが?」 「いえ、結構です」 「遠慮は要りませんよ? 浮気相手と貴方を殺して、私も死んでやるー!って演じるのも楽しそうですし」 「…本当に楽しそうですね」 呆れの混じった苦笑いに笑顔を返す。 「楽しいですから」 「それは何よりです」 私が笑えば、彼も笑う。 初めて普通に会話が出来たような気がした。 距離がまた少しだけ縮まったような気がした。  
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