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食材の買い物をしようとスーパーに寄ってもらうと、車から降りた彼がスーパーを眺めながら信じられない言葉を口にした。
「こういう店で買い物をするのは初めてなので、少しワクワクしますね」
「初めて、なんですか?」
驚きながら聞き返すと、苦笑いのような表情と肯定の頷きが返ってきた。
「今まで食品を買いに行く事が無かったので…」
…食品を買った事が無いって、今までどうやって生きてきたの?
「今まで食事はどうしていたんですか?」
「食べないか外食ですね」
苦笑いされたが、私は苦笑いさえ浮かばない。
「そんな不健康な食生活を続けていたら、死んじゃいますよ」
「死ぬのは嫌なので、病気で止めて頂けませんか?」
「病気になって死んじゃいますよ」
「死んでしまうのは困りますね」
…なんだ、この会話は…
会話をしながら、段々と自分が総一さんワールドに染まっていっているような気がした。
…総一さんとの微妙にテンポの合わない、噛み合わない会話に慣れてきてる?
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