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「……夏休みを超えて初めての会話が毒付きとは、変化なしだなサルネ」
「コウ、諦めろ。サルネはそういう奴だ」
サルネ、カイル共に話をした感じでは変化が無い様に思えるが……既にカイルに関しては何も言えない状態だしなぁ。
カイル・ユンボルス。ネインとほぼ同時期に友人になった、親友とも呼べるかもしれない存在。
ネインと同じくらいの信頼を置いてるが……コイツの変化を考えると少し揺らいでしまう。
「天界のお仕事って何やってるの?」
「ん、確か書記とか、荷物整理とか……後は、他の天使の調整」
「……一つだけ理解できない内容があったんだが」
「調整か?天使武装は天使の武器であって防具である、ってのは知ってるよな?」
「天使武装……って、あれか。天使様の種族」
「サルネは覚えてたみたいだけど……お前等、忘れてたな」
サルネ以外の全員が気まずそうに視線を反らす。
わざとらしいとも思ってしまうが、コイツ等の場合は普通に素直だからなんだろう。
というか、サルネ以外の俺の友人は基本的に馬鹿みたいに素直で良い奴だ。
─主も自然に毒を吐くようになったな。
……ミレイと顔を会わせていると心が荒むからな。しばらくはこんな風になってると思う。
─あぁ、あの犬か。
そ、犬だ。
─呼びました?
─……すまない、こんな従者で。
気にしてないよ、羅雪。お前は俺の相棒だろう?お互いの駄目な部分は妥協して、カバーしあえば良いさ。
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