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秋山マリエは会社の更衣室で着替えていた。
「ねえ、ねえ知ってる?」と星野秋子がマリエに近づいてきて言った。
「なぁに?」
「会社を辞めた谷口課長今何やっていると思う?」
久しぶりに谷口の名前を聞いてマリエはドキリとした。谷口が突然会社を辞めてから、と言うより来なくなってからストーカーされることもなくなり黒猫ヒットマンズが解決してくれたのは分かったが、谷口がその後どうなったのかはマリエも気にはなっていた。
「秋子知っているの?」
秋子は得意げな顔をして、
「実はさぁ昨日友達とオネエ系の人たちが働く飲み屋さんに行ったの、そこでね、私たちのテーブルに着いたのがナント!谷口課長だったのよ」
「えー」マリエは思わず声を上げた。
秋子はニヤニヤしながら続ける。
「何でもある日突然目覚めたらしいよ」
「何が?」
「何がって心の奥底に眠っていたオネエの心よ」
一瞬更衣室に沈黙があった後マリエと秋子は大笑いした。
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