693人が本棚に入れています
本棚に追加
/274ページ
山口邦正は呼び出しベルの音で目を覚ました。目覚まし時計に目を向ける。午前5時。
──一体こんな時間に誰だ。
そう思いつつも起き上がり玄関に向かう。頭を掻きながら、
「はい」
応答がない。もう一度、
「どちらさまですか?」
やはり応答がない。覗き窓から見るが誰かいるようでもない。鍵を開けドアを押し開ける。何かが足元に落ちるのが分かった。
邦正が目を向けると二つ折りにされた封筒だった。拾い上げて中身を確認した。
──鍵だ!
手にとって確認した。見覚えのある鍵だった。邦正はアパートを飛び出し道路に出た。
目の前に見覚えのある車が止まっていた。
最初のコメントを投稿しよう!