魔王の気まぐれ

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「殿下ー!待ってくださいッス!」 ラハールが時空ゲートをくぐろうとしたとき、不意に話しかけられた。 もちろん、プリニーである。 「オレ様に何か用か?」 「何か用か?じゃないッス。その間の給料はどうするんッスか」 ラハールは考えていなかった。 よく考えてみれば後一週間もすればプリニーたちは給料日になることを。 「そんなもの、エトナたちに貰っておけ」 「そんな無理ッス!エトナ様は『殿下が払うって言ってんだろうが!!コラァ!』と言って話は聞いてくれないッスし、フロンさんも『愛があればお金なんて必要ありません』の一点張りでどっちも払ってくれないッス!」 「そんなこと知ったことではない!プリニーのくせに文句言うのでない!」 「そんな無茶苦茶ッス!」 ラハールはそんなことお構い無しと時空ゲートへ入っていった。 「お、オイラもついていくッス!」 「あ、危険です!」 プリニーが時空ゲートに飛び込んだときにはもうその扉は閉じかけられていた。 まずいと思った門番は制止を試みたがプリニーには届かず、そのまま時空ゲートに入ってしまった。 この後、プリニーは後悔することになるだろう。 「一体ここはどこなんッスかーーーー!!」
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