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「たくさんの思いが詰まった、そんなセカイになるんじゃなかったの? そんなセカイにするんじゃなかったの?」
リンの瞳からは止め処なく涙が零れ落ちます。
「わたしはずっと一人。ずっと一人……」
冷たい風が濡れた彼女の頬を撫でました。
「幸せな明日が続くと思っていたのに、幸せな最後になると思っていたのに……どうして、どうして?」
何で、こんな簡単に?
リンはそう声に出したつもりでした。
しかし、涙に擦れたその声は音となる前に消えてしまいました。
リンの隣には茫漠とした虚無感と、忘れたつもりでいた孤独感が立っていました。
いつまでも、いつまでも。
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