0人が本棚に入れています
本棚に追加
鏡の前に立つと、赤のチェックのリボンに黒のブレザー、グレーチェックのスカートをまとった自分の姿が映る。
「女子高生になったんだなぁ私♪
…うん結構似合うかもしんないっ
てか似合う!」
一人で自画自賛しながらニヤニヤしてると母の咲子が鬼のような顔でドタドタ部屋にはいってきた。
「ちょっとえりまだいたの!?
もう8時20分になるんだけど!!
はやく行きなさい!!!」
「えっ!!!
やっば!!!
まじやばい!!!!!!」
恵梨はスクールバックをガッとつかむと急いで家を飛び出した。
えーっと原田商店まで10分で…今22分じゃん!
入学式早々遅れたら最悪すぎる…
しーんとした教室に飛び込んでみんなに冷ややかな目で見られる自分の姿を想像すると変な汗が出て来た…。
チャリを全速力で飛ばしまくった結果、なんとか30分ギリギリに原田商店前につくことができた。
「ハァッ…ハァッ…んっ、ハァッ」
すでについていた楓と佐藤亜子が顔を真っ赤にしてゼエゼエ言っている恵梨を見て目を丸くする。
「わっ!
しまえりどうしたのそんな顔真っ赤で汗だくで(笑)」
亜子は小さい童顔をくしゃっとさせてケラケラと笑った。
しまえりとは恵梨のあだ名のひとつでもある。
「ハァハァ…いや…っ、鏡見てたらおくれちまった(笑)」
楓が呆れたような笑ってるような顔をして、
「まあいいやはやく行こうよ~。
こっから3分くらいだし地元だし柚禾高えらんでやっぱ正解だねえ♪」
楓と亜子がにこっと笑う。
…ま、先生達はかなり糞らしいけど。
そう思ったのは隠して私は笑顔で「うん♪」と答えて柚禾高校に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!