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「えー、葉月とか風早とかかなあ」
―――!!!
か、風早っ!
亜子が言ったその名前に視界が少しくらりとした。
「えっ風早くん?
おい恵梨~元彼と同じクラスじゃん!!」
そう言い楓が私を軽くどつく。
確かに、風早陸とは中学時代の私の元彼で、しかも1年のころから3年間ずっと好きでやっと告白して付き合ったら性格変わってて私から振った…というやな感じの。
うわー…最悪だ…。
最悪って言うか、気まずいんだが…。
てか本当楓はデリカシー無いんだから…。
でもここでオーバーな嫌がり方したら逆に未練あるって思われそうだよねー…。
はぁぁ面倒臭い。
「う、うわーまじか。
まあどうでもいいけどね!」
楓はニヤニヤした顔からつまんなそうな顔になり他のクラス表を物色し始めた。
危なかったー。
ここで未練あるなんて思われたらおしゃべりの楓のこと。
すぐ広めるだろう。
実際は未練なんて全く無いのに。
「ねぇ~クラス分かったし教室行こう?
ここ人多くてうざい~」
亜子があからさまに嫌そうな顔をして靴箱を指差す。
まあこれ以上ここに居てもね。
私も人込みは嫌いだし。
そばにいた楓を引っ張る。
「ほらなかちゃんっそろそろ行くよ?」
「あ、うん。
なら行こ行こ」
ようやく人込みから脱出した。
にしてもこの高校は相変わらず綺麗だなあ。
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