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「あ……あの……」
もう、何言ったらいいのかわからない。
“知ってる”で止めておけば良かったものを、“新曲”だなんて余計な単語くっつけたせいで……。
完全に頭を抱えた状態で、数秒前の自分を呪った。
いくら動揺したからって、あの返事はマズすぎる……。
もし、進藤にバレたら？
そのままクラスメートにバレて、全校生徒に広まって、マスコミにキャッチされて。
名前以外はプロフィール不詳で年齢も公表されてないRISEが、実は高校生だったなんて知れたら……。
ここ（学校）に報道陣が殺到するに決まってるっ！！！
「ああー、わかった！ お前……」
口をパクパクさせたまま言葉を発しない俺を見て、進藤がニヤリと笑った。
無意識にごくりと唾を呑む俺。
編入してきて２日目。
平和な高校生活はここで終わりを告げ──……
「新曲って、２月に出た卒業ソングのこと言ってんだろ！」
「……は？」
「なんだ、実はRISEのことあんまり知らねぇんだなっ！ 次の新曲が出るの来月なんだぜ。俺予約したし！」
「……」
「うしっ、ＣＤ手に入れたらお前に貸してやる！ 楽しみにしとけよ！」
どうやら、もうしばらくはこの学校にいられるようです。
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