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650人に対してこの広さは普通なのか……?
それにしてはあまりにも広すぎるし、テーブルの数も多すぎると思うんだけど。
つか、無駄だろ無駄!
いまだ放心状態で突っ立ったままの俺を見かねたのか、進藤が俺の腕をぐいっとひっぱった。
目指すは注文カウンター。
さっきよりも幾分か混み合ったそこの最後尾に並んでから、進藤は苦笑しながら口を開いた。
「多分、俺が入学した時と同じこと考えてると思う」
「……?」
進藤もこの広さに圧倒されたのだろうか。
苦笑したまま食堂を見渡す進藤は、ふぅー……とわざとらしくため息をついて、再び口を開いた。
「わかる、わかるぜー。あれだよな。こんな立派な食堂で、しかも凄腕シェフがいるとか聞いたら、記念すべき第1食目に何食べよう!?ってなるよなー」
「ちげーよ!」
あまりに予想外な答えに、思わずつっこんでしまった。
進藤につっこむのは体力の無駄遣いだと、さっき気付いたばかりなのに。
ていうか、こいつは入学した時から食うことしか考えてなかったんだろうか。
「え、違うのかー?」
「……」
もういいや、放っておこう。
今度こそ進藤にはつっこむまいと心に決めて、いつの間にか随分進んでいた列に並び直す。
そして、無事、サバの味噌煮定食を注文することができたのだった。
やっぱり日本人は和食だ。
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