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全校生徒が毎日ここで昼食をとるから、利便性向上と時間短縮のために、食事代は月末にまとめて口座引き落としっていうシステムらしい。
しかも、すべてのメニューはデザートまで付いて一律500円。
それなりに量もあるし、有名シェフ雇ってるらしいのに、こんな安価でいいのだろうか……。
そんな疑問を感じながらキョロキョロとあたりを見回し、空いている席に適当に座る。
腰掛けた途端に味噌のいい香りが鼻をくすぐって、俺は無意識のうちに箸を握っていた。
やばい、和食やばい。
絶対うまいぞ、これ!
「置いてくなよーっ。てか、決めるの早すぎ! 記念すべき第1食目なんだぞ!? そんな適当に決めていいのか!?」
チーズがたっぷり乗ったハンバーグのランチセットを手にした進藤がぶーぶー言いながら俺の真正面に腰掛けたのと、柔らかいサバの身に箸が入ったのは、ほぼ同時のことだった。
「うっま! やっぱうま!!」
「こいつ聞いてねぇし……」
柔らかいサバの切り身に絡まる甘辛い味噌の塩梅も、煮加減もちょうどいい。
家庭の味とはまた一味違ってるように感じるのは、有名シェフの腕、なんだろうか。隠し味みたいな。
学校でこんなうまい飯が食べられるなんて、幸せすぎる。
編入してよかったぁぁぁ!!
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