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この世界はどうも生きにくくて仕方がない。
そんな世界に生れ落ちて二十数年が経ったけれど、未だにこの世界には慣れることができない。
違う世界に行けば息苦しさがどうにかなるのかと思い、直ぐにパスポートを作った。
そして、生まれ故郷を飛び出した。
友人は何も言わず、ただ背中を押した。
それが一番のきっかけだったと言っても過言ではないが、少なからず今の状況に影響していることは確かだ。
*
生れ故郷を飛び出し、海まで越えて辿り着いた、夢の国と言われる自由の地。
夢が何だったのかは、自分でもわかっていない。
けれど、この地に来なければいけない使命感みたいなものを感じ、小さなカバン一つで海を越えた。
言葉は、さして問題もなく。
この地には、たくさんの人たちが居る。
自分のように漠然とした夢を追ってきた人や、きちんとした夢がある人。
自由を求めた人。
新しいことに挑戦したい人。
生きることに必死な人。
目的はそれぞれ違うけれど、みな必死に一日一日を生きている。
色んな人種や国やらが混ざり合い、まさに文字通りの夢のような自由の地。
そんな地で自分の夢を探すため、大きな一歩を踏み出した。
大きくて、力強い一歩を。
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