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朝っぱらから、見ろと言わんばかり(実際には言われた)の迫力に圧され、携帯画面強制釘付けの刑に処されている、ただ今の状況。
久しぶりにちゃんと来た友人が、来て早々に駆けつけてきたかと思いきや、この有様だ。
他人より少しだけ突出している鼻が、突き出された友人の携帯画面にがっつり触れている。
これでは画面が見にくくて仕方がないので、多少の距離をとることに。
「見たのかよ」
「…みた」
「で、どうよ?」と言って、鼻で笑いながらこの上ないドヤ顔をしてみせた目の前の馬鹿は、一体何が言いたいのだろう。
「どうよの意味がわからないんだが」
「…は?」
「言うに事欠いて、は?って何」
「お前は何を見たの」
「携帯画面」
実際には画面の電気が消えていて、この馬鹿が何を見せたかったのかが分からなかったのだ。
それを言えばまた、理不尽に怒られる羽目になるので、言うのを辞めた。
…なのに。
「何を見たのか聞いてんのー」
「…はぁ」
「ため息かよ!」
「うるさい…」
「なぁんでだよ!」
耳元でぎゃあぎゃあと騒ぎ立てやがって、煩いったらない。
何時もなら自己完結するはずなのに、今日に限ってはしつこすぎる。
しつこい、というか、…ねちっこい。
言ってしまえば、…ウザい。
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