案山子と少年

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草木が生い茂る中心。 そこには周りと同化したかのような案山子があった。 古ぼけた布の間からは骨組みの木のような物が見え隠れする。 その様子からかなりの年月が経っていることが伺えた。 頭には煤けた麦わら帽子、見るに堪えないその姿。 だが、そんなものでも、鳥が止まり、羽を休める。 今もまた一羽のスズメが店の常連のように降り立つのだ。
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