案山子と少年

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ある日そんな原っぱに迷い込んだ一人の少年がいました。 少年は案山子と同じとは言い難いが、同じように汚れた服装で、頬には切り傷や殴られた跡のようなものがあった。 「これって……えっと、何だっけ……ああ、かかしだ」 見た目10歳前後だろうその少年は少し考える素振りをするが、直ぐに案山子の存在を思い出したようだ。 ただ、思い出した直前に少年は淋しそうな顔を見せて、その案山子の近くに腰を下ろした。 案山子が動くはずもなく、変化と言えばスズメが飛び立ったことであった。
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