6人が本棚に入れています
本棚に追加
ある日そんな原っぱに迷い込んだ一人の少年がいました。
少年は案山子と同じとは言い難いが、同じように汚れた服装で、頬には切り傷や殴られた跡のようなものがあった。
「これって……えっと、何だっけ……ああ、かかしだ」
見た目10歳前後だろうその少年は少し考える素振りをするが、直ぐに案山子の存在を思い出したようだ。
ただ、思い出した直前に少年は淋しそうな顔を見せて、その案山子の近くに腰を下ろした。
案山子が動くはずもなく、変化と言えばスズメが飛び立ったことであった。
最初のコメントを投稿しよう!