時間と能力

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「そう逃げるなよ?」 「ならば聞きますが、取り込むというのはどういう意味なんでしょうか?」 距離をとりながらも、近くの教室の扉に手をかける。 案の定、扉は重たく、鍵がかかっているとは思えない固さだった。 (扉は開かない。 それなら扉が無い場所のみ移動可能かな) これから何があるかという不安感はあったが、いつかのように思考は滑らかだった。 「取り込むったって、喰う訳じゃねぇよ。 ただちょっと死んでもらって心臓もらうだけだからな」 「それは……随分と物騒ですね」 冷や汗が東條の額を流れた。 それを見た男は目を大きくして、気持ち悪い笑みを浮かべた。
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