~序章~

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*** …ガサ!! 「―…見つけたぞ!!」 …暗闇に響く、一筋の声。 場所はとある森の中。 時こそ宵の口。 …見れば長い銀髪の男が一人、役人らしき複数の男どもに囲まれていた。 「やっと追い詰めた… 陰陽頭(おんみょうがしら)…卑炎(ヒエン)!!」 役人の長(おさ)らしき男がズイ、と前に出る。 『……………。』 卑炎、と呼ばれた銀髪の男… 年は20前位かと見える。 頭から淡い紗(うすぎぬ)を被り、名を呼んだ役人を一瞥(いちべつ)した。 …彼にとって、いかにも不穏な状況であるにも関わらず、動じた気配は全くなかった。
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