愛するモノには沢山の桜を口に詰めてあげる

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桜の季節になると見物客が野川公園に群れを成す。 辺り一面にブルーシートを敷き詰め、朝から夜までどんちゃん騒ぎ、やっと帰ったと思ったら見物客の帰路の両端にはゴミの山が聳え立つ。 幼い時にそのゴミの山で遊んでいた海翔は、山の中にに紛れ込んでいたガスコンロで両手を大火傷を負ってしまったのだ。 その時にガスコンロを使って何をしていたのか、ほとんど覚えていないけど、手が燃えゆく殘間を桜の花びらが嘲笑うかのように舞っていたのは記憶に刻まれている。
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